「哲学」ときくと、なんだか変人が難しい言葉を使ってよくわからない主張をしている学問というような認識があるかたもいるかもしれません。
しかし、「哲学」という学問は、あらゆる分野に介入し議論することができるのです。
例えば数学の問題があった場合、1+1の答えがなぜ2になるのかというところから、「 加法とは何か?」「 そもそも数字とは何か?」、そういった疑問に進むことによって、数学が哲学の議論へと変わっていくのです。
岡本裕一郎『教養として学んでおきたい哲学』
法律の勉強においても、「なぜルールを学ばなければならないのか?」「そもそもルールとは何なのか?」。こういった議論は、法学ではなく、哲学の分野だと言えるでしょう。
日常の中にある「なぜ?」を突きつめて常識を疑うことも、立派な「哲学」と呼べますね!
そもそも哲学を学ぶ上で大切なことは、「誰々はこういっている」と言えるようになることではなく、自分なりの”答え”を出すことが重要であり、そのために過去の哲学者の学説を学んで知識を蓄えるのだと著者はおっしゃっています。
本書は、「哲学を学ぶ意義」から始まり、西洋哲学者の学説の解説や、現代社会での哲学の役立て方を説明しています。
本書の構成
本書の内容をイメージしやすいよう、おおまかな目次を載せておきます。
- 人生100年時代に改めて哲学を学ぶべき理由
- そもそも哲学とは、どんなことをするのか?
- 哲学の歴史と概念を知っておこう①
- 哲学の歴史と概念を知っておこう②
- 古代哲学:プラトンとアリストテレス
- 中世哲学:アウグスティヌスとトマス・アクイナス
- 近代哲学:大陸合理論とイギリス経験論
- ドイツ観念論:カントとヘーゲル
- ポストヘーゲル哲学:マルクスとニーチェ
- 20世紀における哲学の3大潮流
- 現代社会で哲学はどう役立つのか?
- 今後の哲学を展望する
この本の特徴は、「哲学」という学問自体をテーマにしているところです。
まず最初に、哲学とはどんなことをするのか、哲学を学ぶ意義など説明し、次に古代から現代までの哲学の概要を説明します。
このときにプラトンやアリストテレス、ベーコン、カント、ヘーゲルなどの哲学者の学説を解説しますが、ひとりひとり詳しく見ていくことはせず、あくまで「時代によって哲学がどのように変遷していったか」を確認するためにさらっと解説するだけに留まっています。
そして最後に、現代における哲学の立ち位置や、今後の可能性を説明しています。
なので、おすすめする対象としては、
・「哲学」という学問自体に興味がある
・西洋哲学史の変遷を、マクロな視点で捉えたい
という方になるかと思います!(・ω・)ノ
哲学者ひとりひとりの思想を詳しく知りたい!という方はこちらもおすすめします(^_^)
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