【『ヘミングウェイで学ぶ英文法』レビュー】文法が物語に与える奥行きを感じよう!

英語

「大人になってから高校の英文法を復習したいけど、今さら高校用の参考書でガシガシ勉強したくない」

「小説を読んで楽しみながら文法を復習したい」


という方にこの本はおすすめです!

本書の特徴

本書は、作家ヘミングウェイの短編から英文法を学ぶというコンセプトです。


そもそもなぜヘミングウェイという作家をチョイスしたのか?という疑問があるかもしれません。

それは、彼の文体に以下のような特徴があるからです。

・語彙が平易で、文の構造も複雑ではない
文法に工夫を凝らした表現技法が優れている



この特徴を見てもらうために、実際の文章を引用してみます。

“All right,” said the man. “What about it?”
“No,” said the girl, “I can’t.”
“You mean you won’t.”
“I can’t,” said the girl.

ヘミングウェイ『The Sea Change』

どうでしょうか。語彙はすべて中学一年生で習うものですね。
(もちろん作品すべての文章がこのレベルというわけではありません。これはとりわけ易しい文です)

非常にシンプルな文ですが、”can’t”と”won’t”を使い分けることで男女のすれ違いを表現しています。

ここでのポイントは、”will”という助動詞を、「未来」という意味だけの理解に留まっていないかという点ですね。

本書の構成

全部で6つの短編が収録されており、それぞれが以下の構成になっています。


①和訳
まず日本語訳を載せてくれています。もし英文和訳に自分で挑戦したい方はここを飛ばしてもよいですね。

②原書 + 「ここに気を付けて読もう」
左ページに英文を、右ページに文章内の文法的に気を付ける点を質問形式で記載。

③「ここに気を付けて読もう」の解説
②で問いかけた質問の解説。
作品内の地の文やセリフなどの細かなニュアンスまで詳細に文法的側面から説明されています。

文法以外には、タイトルの意味の解説などもあります。

たとえば、先ほど引用した文のタイトルは『The Sea Change』ですが、この作品に海はでてきません。
これが何を表現しているのかといった作品に関する解説もしてます。


④ワンポイント文法講義
文法のあるテーマ(不定詞や接続詞など)を深堀りして解説。

例えば、中学一年生で”can”=”be able to”と習いますが、以下のような文も成り立ちます。

I am able to swim, but I can’t.

つまり、”can”と”be able to”の意味が厳密には少し異なるわけですね。
こういった細かい部分まで解説してくれています。


⑤作品解説
ヘミングウェイの作品には様々な解釈ができるものが多く、ヘミングウェイの思想や当時の社会的背景を踏まえながらその作品の捉え方を解説。

私はこのセクションが特に好きですね(´▽`)

全体的な感想

一つの短編に対し、文法的な解説と作品としての解説が両方充実しており、楽しみながら学習できます!

「文章に直接記載はされていないが、誰々のこのような描写から、実はこういう事実だったということがわかる」といった解説が興味深くておもしろいですよ(^^)


欠点を挙げるとすると、高校で習う英文法が完璧あるいはそれに近い人は、文法解説で少し退屈に感じる部分があるかもしれません。

私も高校の英文法は把握しているのでそのような感想を持ちましたが、新しい気づきも多く、なにより作品の解説がおもしろいので、そこだけでも読む価値は十分にあります!


もし、高校の英文法はほとんど忘れていて復習したいという方にはこの本はかなりおすすめです!


逆に言うと、中学生で習う英文法は完璧にしておいてください( `ー´)ノ


この本のシリーズは、現在2巻出版されています。(2020年7月時点)

2には、有名な『老人と海』のラストシーンが収録されています!

タイトルは知っていたけれど内容は知らなかったので、この機会に読めてよかったです(´▽`)


そんな切ない話だったとは…( ;∀;)

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